今年の夏、なんだか体の調子が変だと感じていませんか?
のぼせるのに足元は冷たい。朝は涼しかったのに昼は急に暑くなる。そんな不思議な感覚を覚えている方も多いのではないでしょうか。
実はこれ、2026年という年の「運気」とぴったり一致しています。
中国最古の医学書『黄帝内経』に記された五運六気(ごうんろっき)という考え方をもとに、今年の夏至前後の気候と、からだへの影響をひもといてみます。
2026年はどんな年か
今年は干支でいえば丙午(ひのえ・うま/へい・ご)。60年に一度巡ってくる年です。
東洋医学の運気論では、この年の運気構造を次のように読み解きます。
| 内容 | |
|---|---|
| 上(司天) | 少陰君火――天には強い火の気 |
| 中(歳運) | 太羽・水運太過――地には寒と水が過剰 |
| 下(在泉) | 陽明燥金――秋以降は乾燥が強まる |
一年を通じて、地には寒・水の気が強く、一方で天には火の気がある。このふたつが拮抗する、寒暖の落差が激しい年です。
運気論ではこれを「不和(ふわ)」と呼びます。水が火を抑えつけ、押さえられた火がいつか暴走する――そんなイメージです。
夏至前後は「火が三重に重なる」時期
一年を六つの期間(六気)に分けると、夏至(6月21日頃)は**「三之気(小満〜小暑、5月下旬〜7月下旬)」**の真っ只中にあたります。
この時期の運気の構造がこちらです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主気(毎年変わらぬ気) | 少陽相火 |
| 客気(今年の気) | 少陰君火 |
| 司天(天全体の気) | 少陰君火 |
| ひと言で言うと | 火・火・火の三重構造 |
主気も客気も司天も、すべて「火」。
運気論ではこれを「同氣(どうき)」と呼び、気候の異常が特にひどく「倍烈(ばいれつ)」になりやすいとされています。発病しやすい時期でもあります。
この時期に起こりやすいこと
気候面
- 大きな熱が行き渡り、強烈な暑さになりやすい
- 草木は勢いよく繁茂する
- ただし、時折寒気が差し込み、急激な寒暖差が生じやすい
「夏なのに急に肌寒くなった」という日が出てくるのは、今年の運気の特徴そのものです。
からだへの影響
からだにも火の気が過剰になることで、次のような不調が出やすいとされています。
- 気が逆上して胸痛・動悸
- 寒熱往来(急に寒くなったり熱くなったりする)
- 咳・喘息
- 目の充血
- 上半身に熱がこもる「上実下虚(じょうじつかきょ)」の状態
特に今年は、水運太過で下半身が冷えたまま、上半身だけが熱を持つ「冷えのぼせ」の状態になりやすいのが特徴です。

2026年 夏至前後の養生ポイント(概要)
詳しい対策は次回・次々回にわたってお伝えしますが、まず基本の方向性をお伝えします。
① 冷えのぼせを意識する 上を冷ます・下を温める、というアプローチが基本です。
② 急激な気温変化に備える 「もう夏だから」と薄着にしきらず、一枚羽織れるものを持ち歩く習慣を。
③ 火の気を無理に発散させない 辛いもの・刺激物の摂りすぎは、かえって火の気をあおります。苦味のある食材(ゴーヤ・緑茶など)で適度に熱を冷ますのが東洋医学の考え方です。
おわりに
300年以上前に書かれた古典の知恵が、現代の気候とからだの変化と重なるのは不思議なことです。
「今年の夏は特に体に気をつけよう」という直感があるとしたら、それはとても正しい感覚かもしれません。
次回は、夏至前後の急激な寒暖差への具体的な対応策をお伝えします。
次回:【2026年 夏至の養生②】急激な寒暖差への対応――食事・入浴・ツボ養生


