第1回 五行と季節の暮らし ─ 自然のリズムに乗る知恵

岡部賢二著『マワリテメクル小宇宙』を参考に ─

はじめに ─ 季節に順応する心と体

春になったら眠くてだるい。夏は暑さで食欲が落ちる。秋は理由もなく少し寂しくなる。冬はとにかく出たくない……。

こんな経験、ありませんか?

これらの感覚は、私たちが季節の変化に順応する“感応現象”ともいえます。

人間は自然の一部であり、季節のリズムとともに体も心も変化する ─ それが当たり前の姿であり、人が健やかに生きる条件だと考えます。

「五行と四相 ─ 気の性質と変化の流れ」

五行とは、宇宙のあらゆる現象を「木・火・土・金・水」という五つのはたらきでとらえる、古代中国に生まれた考え方です。それぞれには異なる性質があり、たがいに助け合いながらめぐっていきます。この関係を「相生(そうせい)」といい、自然界はこのような循環の中で変化し続けています。

一方、この「変化していく流れ」を時間の経過として見たものが、**四相(しそう)**です。四相は、物事が生まれ、盛んになり、やがて静まり、また次へと移っていく過程をあらわしています。

つまり、五行は「どんな性質の力が働いているか」をとらえるものであり、四相は「それがどのように変化していくか」という流れをとらえるものです。

そして、この流れの切り替わりには必ず”間”または”化”と呼ばれる移行の時間が存在します。季節と季節のあいだにある土用という期間が、まさにそれにあたります。この考え方は古くから土王説(どおうせつ)と呼ばれ、伝統的な思想の中に位置づけられてきました。

土用についての詳しいお話は、もうすぐやってくる春の土用の時期に、改めてご紹介したいと思います。

─ 岡部賢二著『マワリテメクル小宇宙』P10を参考に お読みください─

さて、この記事をお届けしているちょうど今、各地で桜が満開を迎えています。

日本人と桜の関係は、古くから特別なものがありました。日本人が桜をこれほどまでに愛でてきた背景には、単なる美しさへの感動だけではなく、清らかに咲き、潔く散る姿に自らの生き方を重ね、人の縁や命のはかなさをいとおしむ、日本人ならではの繊細な心があるのではないでしょうか。桜の下に集い、語らい、しみじみと酒を酌み交わす。その穏やかな時間の中にこそ、日本人のやさしさ・清らかさ・そして人生への向き合い方が、静かに映し出されているように思います。

ぜひ、そんな思いで桜を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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