第二回 気圧で耳がつらくなるのはなぜ? ~耳・腎・九竅から考える東洋医学~

前回は、天候や気圧、そして東洋医学でいう「風」についてご紹介しました。

今回は、気圧と耳の関係、そして東洋医学で重要視される「腎」と「九竅(きゅうきょう)」についてお話しします。

目次

気圧と耳の関係

飛行機に乗ったときや山道を車で走ったとき、耳が詰まったように感じた経験はありませんか。

耳の奥には鼓膜があり、その内側には「中耳」という空間があります。通常は「耳管」という細い管が開閉して圧力を調整していますが、気圧が急激に変化するとこの調整が追いつかず、耳の詰まりや痛み、耳鳴り、めまいなどが起こることがあります。

低気圧が続く時期に不調を感じやすいのは、こうした耳の圧力調整も一因と考えられています。

東洋医学では「耳は腎に通じる」

東洋医学には、「腎は耳に開竅(かいきょう)する」という考え方があります。「開竅する」とは、簡単にいえば「その働きが表に出る場所を持つ」という意味です。

ここでいう「腎」は、腎臓そのものだけを指すのではなく、生命力や成長、老化、生殖、水分代謝といった体の根本的な働きを担う存在として捉えられています。

腎の働きが充実していれば、耳の聞こえも保たれやすいと考えられています。一方、加齢や慢性的な疲労、睡眠不足、過労などによって腎の力が低下すると、耳鳴りや難聴、めまいなどが起こりやすくなるとされています。

九竅(きゅうきょう)とは

東洋医学では、顔や体にある「外界とつながる九つの穴」のことを「九竅」と呼びます。一般的には次の九つを指します。

  • 目 2つ
  • 耳 2つ
  • 鼻 2つ
  • 口 1つ
  • 前陰(生殖器) 1つ
  • 後陰(肛門) 1つ

これらは体と外の世界をつなぐ大切な出入り口であり、体の状態が現れやすい場所でもあります。

耳もこの九竅の一つであり、腎との結びつきが深いことから、耳の不調は体全体のバランスを見直すきっかけになることがあります。

天候に負けない体づくり

天候そのものを変えることはできません。しかし、自分の体の状態を整えることはできます。

規則正しい生活、十分な睡眠、体を冷やさないこと、適度な運動、そして疲れをためすぎないこと。こうした日々の積み重ねが、気圧や天候の変化に左右されにくい体づくりにつながります。

東洋医学では、一つひとつの症状だけを見るのではなく、体全体のバランスを整えることを大切にしています。

季節や天候の変化が大きい時期だからこそ、ご自身の体の声にも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

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